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もうすぐWindows 10でIEが起動しなくなる

公開日:2023/01/17 想定読者層:企業 テーマ: IEの無効化

ブラウザIE(Internet Explorer)の無効化に関する記事が公開されています。

https://forest.watch.impress.co.jp/docs/news/1464654.html

ポイント

  • MicrosoftはIEからEdgeへの移行を2023年さらに強化
  • 2023年2月にIE起動でEdgeが強制起動、6月にIEのアイコンなどが強制削除
  • IE利用の企業・組織はEdgeのIEモードへの移行などの対応が必要p

インターネットのホームページやウェブサービス・ウェブシステムを利用する場合、我々はブラウザというソフトウェアを使用します。今回のコラムは、過去に大きなシェアを持っていたMicrosoftのブラウザ製品Internet Explorer 11(以降、IE)が無効化されるという話題です。

◆IEからEdgeの移行

MicrosoftはIEの後継版としてEdgeというブラウザ製品を2015年からリリースしています。2022年6月にIEのサポートが終了したため、すでにIEにはセキュリティアップデートが提供されない状況になっています。セキュリティリスクの観点からIEからEdgeへの移行が必要です。?

しかし、業務で利用している古いウェブシステムがIEでしか利用できないなどの理由で、企業や組織内でまだIEが使われている場合があります。その古いシステムとの互換性の問題を理解しているMicrosoftは、EdgeにIEモードを搭載して対応しています。

MicrosoftはEdgeへの移行を推進していて、IEが起動されると「より安全なEdgeに切り替えてください」と画面に表示して移行を促しています。また、Windows 11ではもともとIEが見えないようになっていますが、コマンドなどによりIEを起動した場合は強制的にEdgeが起動する(Edgeにリダイレクトされる)ようにしています。一方、Windows 10では、現状(2023年1月時点)はまだIEを起動することができます。

◆MicrosoftによるIE無効化の強化

冒頭の記事の通り、MicrosoftによるIEの無効化を含むアップデートが今後配信されます。業務利用のウェブシステムがIEしか対応していないなどの理由でまだIEを継続利用している場合、企業・組織内でEdgeへの移行対応や周知をしていなければ、ある日急に使えなくなったとユーザーが混乱することになるかもしれません。今後、以下の予定でIEの無効化が強化されます。IEやEdgeについて確認や対応をしておきましょう。

  • ・2023年2月のEdgeのアップデート適用後、Windows 10でもIEを起動するとEdgeが強制的に起動される
  • ・2023年6月のWindowsのアップデート適用後、IEのアイコンなどが削除される

◆脱IEに対応する

IEでしか利用できない古いウェブシステムを業務上利用している場合、IT担当者がEdgeのIEモードでそのウェブシステムが利用できるか確認の上、EdgeのIEモードの利用について社内・組織内でアナウンスしてください(IT管理者による対処については下記のご参考のMicrosoftの情報などを確認しましょう)。また、今後のEdgeのIEモードの提供終了に備え、ウェブシステムの刷新に着手するようにしてください。

ちなみに、前回のコラムで伝えた通り、Windows 8.1は2023年1月10日でサポート切れしており、1月以降の最新のEdgeの配信はありません。OS自体も今後は脆弱性が修正されないので、セキュリティリスクがある状態です。新しいOSへの移行をお願いします。

以上は多くの企業で対応済みと思いますが、突然びっくりすることが無いように確認しておきましょう。

ご参考:

Microsoft「Internet Explorer (IE) モードとは」

https://learn.microsoft.com/ja-jp/deployedge/edge-ie-mode

NISC「インターネットの安全・安心ハンドブック」

https://security-portal.nisc.go.jp/handbook/
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