内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)

文字サイズ

コラムアーカイブ

スマートフォンの偽セキュリティ警告に注意

公開日:2022/11/01 想定読者層:消費者 テーマ:スマホの偽セキュリティ警告

IPAから詐欺に関する注意喚起が公開されています。

https://www.ipa.go.jp/security/anshin/mgdayori20221025.html

ポイント:
・スマートフォンで偽のセキュリティ警告が表示される詐欺
・有料アプリをインストールさせてアプリ課金に誘導する手口が増えている
・手口を知っておき落ち着いて対処することが対策となる

◆スマホの偽のセキュリティ警告

スマホの画面に偽の警告を表示させて、有料アプリをインストールさせる詐欺の相談が、情報処理推進機構IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」に寄せられています。

IPAによると、スマートフォンでウェブサイトを閲覧中に突然「ウイルスを検出した」などのセキュリティ警告などが表示されます。AndroidでもiPhone(やiPad)でも偽警告の表示が報告されていますので、どちらのスマホでも注意が必要です。

偽警告で驚かせて悪意のあるアプリをインストールさせる手口が以前からあり、いまは有料アプリをインストールさせ自動継続課金の決済契約をさせる手口も増えていると注意喚起で説明しています。

◆偽セキュリティ警告画面を表示

手口を少し説明すると、スマホのブラウザでウェブサイトを閲覧中に、突然セキュリティやスマホの動作異常を警告するポップアップやウェブページが表示されます。詐欺師が仕組んだ偽画面ですが、GoogleやAppleのロゴや文字が表示されていますので、本物と思い込んだスマホ利用者が、画面をタップし、次の画面に誘導されてしまいます。

具体的にどのような画面が表示されるか以下に抜粋します(上記の注意喚起に実際の画面が画像付きで紹介されています)。

偽の画面表示の例(上記記事より一部抜粋):
「○○○でウイルスが(x)個検出されました」
「お使いのiPhoneが(x)個のウイルスにより深刻なダメージを受けています。」
「ハッカーがあなたを監視しています!」
「△△△クリーナーを更新してください。更新しないと、スマホがフリーズすることがあります。」
「Apple Storeより △△△をダウンロードし、セーフモードで引き続き視聴してください。」

◆自動継続課金アプリへ誘導、放置で高額請求も

トラブルに対処するにはアプリのインストールが必要として、偽の警告画面からアプリをインストールするための公式ストアへ誘導されます。スマホの動作を安定させるクリーナーアプリやVPNアプリのインストール等に誘導されることが多いようです。また、公式ストアであるため、誘導されたスマホ利用者の中には疑わずインストールしてしまう人もいるかもしれません。

インストールするアプリには「定期購入」や「価格」が設定されていて、自動で更新される課金の承諾が求められます。つまり、詐欺師は有料アプリのインストールを促してきます。3日間のトライアルや、月額ではなく週額900円など価格を安く見せて心理的ハードルを下げるテクニックが使われています。900円なら復旧のために試してみようかと思うかもしれませんし、週額900円ではなく月額900円と思いこむ場合もあるかもしれません。アプリを放置していると週額900円であれば、支払い額は1か月で5000円ほどになる計算になります。

以上をまとめると、警告表示に慌てて、よく内容を確認せずに、インストールする場合が多いと考えられます。警告が消えて、インストールしたことを忘れてしまったら、被害者は多額の請求を目にすることになります。

◆落ち着いて警告画面を閉じる

スマホ利用中にこの手口の警告が出たら、落ち着いて警告画面を閉じましょう。また、有料アプリをインストールしてしまったら、アンインストールや定期購入やアプリの登録を解約しなければいけません。対処方法やこのような詐欺への基本的な心掛けなどが上記のIPAの注意喚起に掲載されていますので、ぜひご確認ください。

また、別の内容の警告などが表示され、類似の詐欺かどうかご自身で判断に困ったら、自分で判断せずに親しい人に相談することも大切です。身近な人に相談できないなどありましたら、IPAの情報セキュリティ安心相談窓口に相談することも可能です。下記のご参考欄にURLを記載しておきます。

詐欺師はITを利用したさまざまな手口を考えてお金を奪おうとしています。親しい人が被害に遭わないように、このような手口の存在を会話の話題にするのもいいですね。私はこのコラムを家族に共有しようと思います。

ご参考:

IPA「情報セキュリティ安心相談窓口」
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/index.html

NISC「インターネットの安全・安心ハンドブック」
https://security-portal.nisc.go.jp/handbook/

▲ このページの先頭へ