サイバーセキュリティ月間

2021年2月24日(水) 

サイバー空間の安全性向上は自動車の歴史に学ぼう

 株式会社トライコーダ
 代表取締役   上野   宣

 

 
   安全性能が十分でない自動車やバイクが公道を走っているとしたら、どんな世界になっているでしょうか。
 
   車の安全は運転する人だけではなく、乗るだけの人も、歩行者も、沿道に住んでいる人にも関わってきます。安全性能と言っても、衝突に対して乗員を保護するだけではありません。事故発生時に歩行者を保護するためのものや、最近では電気自動車の衝突後の感電保護性能といったものもあります。
 
   蒸気自動車の誕生は1769年で日本は江戸時代で、ガソリン自動車の誕生は1885年で日本は明治時代です。
   車が世の中に登場して間もない頃の安全性能はそれほど優れたものではなく、普及するにつれて事故が増えたことなどによって社会問題になり、政府やメーカー側も努力して安全性能を向上してきました。人口10万人当たりの死者数で見ると、昭和45年の16.33人がピークで令和2年には2.25人と少なくなっています。
   死者数はなかなかゼロにはなりませんが、衝突回避などの先進的な機能や自動運転の普及、道路などのインフラの改善などによってさらに数を減らしていくことが期待されています。
 
   インターネットなどのサイバー空間の安全はどうでしょうか。
 
   国内で商用インターネットサービスプロバイダが始まったのは1992年です。その後、Windows95の登場などで一気にインターネットは普及しました。今やインターネットはなくてはならない重要インフラの1つです。
   サイバー空間の事件や事故は見えにくく、統計を取るのは容易ではありません。しかし、毎日のように情報漏えいや不正アクセス、詐欺や脅迫などの事件や事故が起き続けていて、ニュースでそれらを見ない日はありません。
 
   インターネットは黎明期を過ぎ、過渡期もしくは成長期に入っていますが、その利用にはまだまだ注意が必要な状況です。
   サイバー空間を構成するコンピュータやアプリケーションで構成されるシステムは、そこで扱う情報などが守れるだけの安全性能が求められます。そのためには、開発を行うときには必要なセキュリティ要件を決めて、その安全性能をテストするための「脆弱性診断」も行う必要があります。
 
   インターネットという公道にシステムを出すのであれば、十分な安全性能が求められる時代なのです。単に広く使われれば良い、売れれば良いという時代は終わりにしましょう。
   サイバー空間に関連するシステムを開発する方は、セキュリティ要件を知り、脆弱性診断を知って下さい。そして、システムを安全にし、それを利用する人やそれに関わる人たちも守って行きましょう。それがひいてはサイバー空間全体の安全に繋がっていきます。
 
   自分たちの子孫が利用するサイバー空間は、これからどんな世界になっていくのでしょうか。
 

※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。

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