サイバーセキュリティ月間

2021年2月19日(金) 

ハッカー・コミュニティが世界を繋ぐ

 相戸   浩志

 

 
「何だね、君はぁ?!スーツケースの中身は殆どアニメ・グッズだらけじゃないか。」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ、これは台湾のハッカー・コミュニティへのお土産なのです。私にも一言、言わせてくださいよ!!」

 
 私はこの10年近く、毎年、台湾のセキュリティ・カンファレンスHITCONに行っています。10年前日本に来てくれたHITCONコア・メンバーと、めっちゃアニメの話で盛り上がって、お前は俺か、俺はお前か、みたいに仲良くなったのが始まりでした。
 
 行ってみて驚いたのが、台湾はアジアのハッカー・コミュニティの中心だったってこと。講演は英語か中国語で、会場のストリーミングでは両方の言語で音声が流れている。この2か国語で、アジアのだいたいの国はOK。地理的にも、東の端っこにある日本より、どの国も集まりやすい。
 各国のハッカー・コミュニティのコア・メンバーも集まっていて、産官学とはまた違った繋がりがある。面白い人が、面白い人を引き寄せる。その吸引力は国が離れていても、強烈に引き合う。カンファレンスにはCTF(Capture the Flag)という攻撃防御の模擬戦も同時に開催されていて、世界ランキング上位の欧米のハッカーチームも集まっている。彼らは日本で開催されているSECCONやCode Blueにも来ているので頻繁に会うことができ、地理的な距離は全然感じない。
 
 コミュニティに飛び込んで仲間になるのは割と簡単で、迫りくる脅威に何とかしたいって志があればいい。自分に出来ることを頑張っていればいい。明治維新の志士みたいなものか。自分の個性は隠さず引き出した方がいい。意見交換は難しく考えなくていい、自分が経験し感じたことを整理しておけばいい。苦労や失敗の経験の方が、聞く価値がある。あとは雰囲気を存分に楽しめばいい。おっと、日本のビジネスお家芸の名刺交換だけの挨拶は、その人の個性も意見も見えないので、全くもって印象に残らないからね。
 
 そんなハッカー・コミュニティは、コロナで世界が分断されることを恐れています。会えないこと、見えなくなること、独りぼっちになることは、恐怖を増やす。自分が何をすればいいかが、見えなくなる。自信が無くなる。これは個人だけでは無くて、個々の企業の担当者も全く同じこと。だから、全員参加。悩んでいるセキュリティ担当者はどこの会社にもいる、一人じゃない。会社の中でも、一人にしちゃいけない。サイバーセキュリティって、一人ひとり、みんなの問題だと認識することだと思う。よくサイバーセキュリティは経営の関心事項だって言われるけれど、言われているってことは、まだまだ関心の低い経営者が多いってことなのだろう。

 みんなが少しの関心を持つこと、それだけで人は繋がり、サイバーセキュリティはかなり達成できると思う。
 

※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。

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