サイバーセキュリティ月間

2019年2月22日(金) 

空気を換えるチャンス

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科
教授   中村   伊知哉

 
   
プログラミング教育が小学校でも必修となる。プログラマーを生むため?ではない。身の回り全てがコンピュータとなる。Society5.0に突入する。その仕組みを体得することは、読み書きに並ぶ基礎の素養となるからだ。みんなで備えよう。
 
商売も暮らしもデジタルに依存する社会がやって来る。なのに得体の知れない国や組織が見えないところで日本の政府や企業や個人やモノを狙っているらしい。自分の情報が漏れて悪者の手に渡る。クルマがネットでハックされる。怖い。
 
日本ほど安全な場所はないのだが、日本ほど不安が漂う国もない。シェアリングエコノミーの利用率がやたら低い。キャッシュレスも進まない。学校をクラウドにつなげてはいけない。インフルエンザが流行りそうになるとみんなマスク姿になる。怖いから。
 
AIとロボットが今ある仕事の半分を奪うという。怖い。実は彼らが仕事をしてくれて、分配政策をミスらなければ、めくるめく「超ヒマ社会」が来るはずだ。だが怖がって使いこなさなければ、米中の下請けになって、彼らだけが超ヒマを謳歌する。
 
この漠然とした不安を吹き飛ばしたい。空気を換えよう。もちろん目下いちばん恐れなければならないのはネットセキュリティだ。その対策を万全にして、IoTAIを乗りこなしたい。怖がっているヒマはない。
 
政府はがんばっている。対策が厚みを帯びてきた。縦割りを批判されてきた霞が関もずいぶん横串が刺されるようになった。だが万全に対策を講じたところで、セキュリティ技術をこれでもかと投入したところで、仮に安全になったとしても、不安が安心に変わるわけではない。
 
だから、教育が大切だ。安心してICTを使うための教育。まずは経営者向けが大事。対応の良し悪しは株価を左右する。危機管理というよりブランド管理。対策は費用というより投資。攻めのICTには攻めのセキュリティ対策。セキュリティは経営問題である。経営者の基礎教養に位置づけるべきだ。
 
そして、ユーザ一人ひとり。漏れないようにするにはどうしたらいいか。何が漏れたらどう危ないか。何かをされたら誰に相談すればいいか。怖がらずに済むためのリテラシーを共有したい。子どもたちが学校でプログラミングの一環として習い、親に教えてあげるとよい。
 
2020年の東京五輪はセキュリティ攻防の大一番だが、空気を換える大チャンスでもある。これを乗り切れば大丈夫だ、という意識を共有しよう。そしてみんなで乗り切ろう。
 
 

※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。







 

 

  

 
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