サイバーセキュリティ月間

2015年3月12日
 

セキュリティ for オールへの第一歩

 

九州大学 サイバーセキュリティセンター
センター長
岡村 耕二

 

 平成26年12月1日に、総合大学でははじめて、サイバーセキュリティ専用のセンターであるサイバーセキュリティセンターが九州大学に設置されました。本センターの大きなミッションは、第一に、全ての学生のサイバーセキュリティに関するリテラシーを大幅に向上させることです。

 現在、日本の大学で主に行なわれているセキュリティ教育は、情報関係の計算機科学、プログラミング論やネットワーク工学といった情報系科目の一つとして、主に情報系の学生を対象に行なわれているか、情報セキュリティ技術スペシャリスト育成向けのものが主流だと思います。これらの教育によって、中級から上級の情報セキュリティに関する技術を習得できますので、今後これらの教育をより戦略的に充実させることで、我が国のセキュリティ関係の人材不足の問題への貢献が期待できると思います。

 一方で、本センターがまず、取り組むのは、理系、文系や専門など問わず、全学生を対象にしたサイバーセキュリティの基礎的な教育による、サイバーセキュリティ力アップのようなものです。例えばですが、床に落ちてしまった食べ物を口にすると病気になるかもしれないので、注意するなどは、成長した人間であれば誰でも認識していることで。しかし、焼き肉屋さんで、生肉を扱う箸と食事をする箸を分けないと病気になるかもしれない、というのは、焼き肉を食べる時に注意しないいと身につく機会がないので、言われればわかるといいつつも、間違える人も多いように思います。同様に、重要なデータに注意を払うべきであることは、だれでもわかることですが、重要なデータが格納されたUSB デバイスも、教育・研修が身についていないと、誤りをおかしてしまうことが多いと思います。

 現在のサイバーセキュリティインシデントも、言われればわかる簡単なことが多いと思います。重要なデータの入った USB が紛失しました~重要なデータなら紛失しないように注意することはもちろんですが、データの暗号化をするということに気がつくべきでしょう。バックドアからスパイウエアに情報をぬかれた~自分の使用している OS 、アプリケーションの脆弱性の情報は気にすべきでしょう。自家用車の調子が悪いのに乗り続ける人はいませんよね。

 九州大学サイバーセキュリティセンターでは、平成26年度の後期から、全学基幹教育(主に1年生が対象であるが、基本的に全ての学年の学生が受講可能)の総合選択科目で、サイバーセキュリティ基礎論を開講し、サイバーセキュリティに関する知識を身に付けることの重要性、過去の事例、サイバーセキュリティに関係する法律や著作権、サイバー空間のプライバシや匿名性、情報倫理、そして、自分たちがIT機器を使用、設定するに当たり知っておくべき知識などを、教えています。選択科目ですが、文学部、法学部、経済学部、医学部、理学部、情報系以外の工学部、芸術工学部、と多彩な学生が受講してくれました。

 本センターの活動は始まったばかりですが、我が国国民のサイバーセキュリティ力アップは待った無しです。今後も、サイバーセキュリティの多彩な教育方法の研究を行なっていきたいと思っています。
 
※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。
 






 

 

 

 
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