TOP | サイバーセキュリティ月間 | 平成26年度 | サイバーセキュリティ ひとこと言いたい! | ゲームを正しく遊ぶ ~安易な不正行為をしないで~

  サイバーセキュリティ月間

2015年3月10日
 

ゲームを正しく遊ぶ ~安易な不正行為をしないで~

 

株式会社カプコン CS制作統括
プロダクション部 技術開発室
松本 純

 

 家庭のテレビにゲーム機を接続して遊ぶスタイルが確立されたのは、今から30年ほど前になります。数十色程度の小さい点を組み合わせてキャラクターを動かし、シンプルな音色で効果音やBGMを奏でていた黎明期の頃に比べると、今のゲームの表現力が全く別の次元に進化していることは言うまでもありません。そして小型化によりどこへでも持ち運べる様になった携帯ゲーム機、タッチスクリーンや身体の動きで操作できるセンサー等、技術の粋を集めた新たなデバイスからこれまでにないどの様な楽しさを生み出せるか、多くのゲーム開発者は模索を続けてきました。

 ご存じの通りネットワークへの接続は、ゲームの作り方・遊び方にも大きな変化をもたらしました。友人との繋がりをベースにした協力や競争等、その特徴が最も表れている部分でしょう。しかし多くの人達とオンラインで遊ぶ新たな体験の裏では、これまでに無かった問題も起きています。その中の1つが「チート」と呼ばれる不正行為です。

 「チート(cheat)」とは「あざむく」「ごまかす」の意で、この場合は開発者が編み出したゲーム上のルール・制限を壊して、自分が得をするための「ずる」をする行為を指します。例えば最初からゲーム内の通貨を最大限に所持している、壁をすり抜けてどこへでも自由に移動できる等、ゲームの基本的な面白さをも壊すものです。

 チートは何らかのツールを使って、ゲームのプログラムやデータ、通信パケットの一部等を都合の良い内容に改ざんすることで実現されます。同様の行為はゲーム機をネットワークに接続せずに遊んでいる頃からありましたが、多人数で同時に遊ぶスタイルでの「ずる」は、正しく遊んでいる大多数の方々にとって非常に迷惑なものとなります。

 当然、この様な不正行為を簡単にさせないための様々な技術的対策を施していますが、これらを破る一部の人達が居るのが現実です。運営元は更なる対策を加えますが結果的にいたちごっこになっています。またこの様な人達が簡単にチートするためのツールを開発・販売していることもあり、不正行為になるとは知らずに安易な気持ちで手を染めてしまっている人もいます。

 チートは利用規約でも禁じられていて検知や取り締まりの仕組みを用意していますが、度重なる不正の末に利用停止措置を執らざるを得ない場合もあります。またチートツールの開発者や利用者が法的な責任に問われる事案も起きています。

 今のゲームは手元の端末に加えて、背後にある膨大なコンピューターとネットワークに支えられているものが大半です。技術の進歩は目まぐるしいものがありますが、ゲームを介してこれらの新しい技術に初めて触れる方も多いことと思います。時にはゲーム自体を純粋に楽しむだけではなく、この映像や音楽はどの様な仕組みで実現されているのか、他のプレイヤーのゲーム機やサーバーとどんな通信をしているのだろうか等と、技術的な側面にも注目して貰えると嬉しいです。

 これからも新しい技術を活かしたデバイスが生まれ、多数の開発者の手により今までのゲームの枠を越えた新たなエンターテイメントが生み出されていくでしょう。人々がゲームを通して新しい技術やデバイスに触れ合うことが正しいリテラシーを育む一助となり、コンピューターやネットワーク等への興味・技術向上のきっかけとなれば幸いです。
 
※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。
 






 

 

 

 
NISC SNS一覧 
セキュリティ情報
Twitter
 活動情報
Twitter
Facebook

LINE
※ SNS運用ポリシーはこちら


 
NISCサイバーセキュリティ意識啓発動画ポータルへ 
ご注意 上記リンクをクリックすると別サイトに移動します。