サイバーセキュリティ月間

2015年2月27日
 

医療業界のエンジニア事情

 

医療法人慶友会 守谷慶友病院
ICT課 主任
高野 雄一

 

 読者の皆様初めまして。守谷慶友病院の高野と申します。今回は医療業界でのIT技術者不足についてお話させていただきます。宜しくお願い致します。

 筆者は、以前とあるセキュリティ会社でセキュリティ機器のアラート解析を行うアナリスト業務を行っていました。縁あって医療業界に転職し、現在は院内のIT化を推進する仕事をしています。

 医療業界において、ITならびにセキュリティに対する予算配分は厳しい状況に置かれています。利益を生み出す医師や看護師などへの給与、またはレントゲン機器などの医療機器の導入維持に予算を取られ、情報機器やセキュリティに予算も人材も割けない現状にありました。しかし、ここ数年電子カルテシステムの導入が進み、それが少し変化しつつあります。
 病院では、システムを導入した場合、おおよそITに詳しい事務員に管理の仕事が割り振られます。当然ですが、専門的にシステムについて学んだ人はほぼおらず、また上記のような予算や人材の制限から、他の仕事をしつつ片手間でシステムの管理をする状態にあります。しかしながら、運用するシステムが複雑(図1参照)になるにつれ、専門的な知識を学んだ専任のスタッフが必要となる場面が増えています。
 
図 1 以前対応した病院のシステム接続図
 

医療業界の今後

 2013年5月、所謂マイナンバー法が国会で成立し、2016年1月から運用が開始されます。これにより近い未来、クラウドにマイナンバーを元に吸い上げられた個人の医療情報が収容され、処方歴や検査結果を共有し、社会保障費の節約を図る時代が来る可能性があります。

社会保障・税番号制度

 このため、医療業界においても情報漏えい対策やシステムの安定運用の重要性がさらに増していくと考えられます。病院経営者は、現在は利益を出さないと軽視しがちなITセキュリティに予算を割かなくてはならなくなります。

 電子カルテの普及、マイナンバー制の導入開始、これらのことから、医療業界ではITセキュリティエンジニアが求められつつあります。今私が勤務する守谷慶友病院では、今年ついにシステム及びネットワーク管理を業務とし、院内のICT推進を担当する課を立ち上げました。

 しかし医療業界にはSEが足りていない状況です。SEといえばIT業界にばかり目が行きがちですが、他業種でもIT、セキュリティに強い人材が求められています。ITを学ぶ皆さん、ITの現場で活躍する皆さん。どうかIT業界ばかりでなく、ITエンジニアを必要とする他業種にも目を向けて頂ければ幸いです。
 
※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。
 






 

 

 

 
NISC SNS一覧 
セキュリティ情報
Twitter
 活動情報
Twitter
Facebook

LINE
※ SNS運用ポリシーはこちら


 
NISCサイバーセキュリティ意識啓発動画ポータルへ 
ご注意 上記リンクをクリックすると別サイトに移動します。