サイバーセキュリティ月間

2015年2月9日
 

My災害対策プラン

 

北海道情報セキュリティ勉強会(せきゅぽろ) 一般社団法人LOCAL
蒲田 拓也

 

 小学校の頃、毎年「家の人たちと、災害が起きたときに、どこに避難するかを決めて発表しましょう」という宿題が出ていました。
 携帯電話どころか、家に電話が無かったり、他の家との共用電話だったりする時代の話でしたので、災害時の連絡は困難です。そこで、事前に家庭ごとに対応を決めておき、非常時の混乱を抑えるのが目的です。 が、今考えてみると、この宿題を定期的に出すことで「災害の存在を意識づける」「避難時に、やらなくてはならない行動(どこに行けばいいか)を根付かせる」という意味合いもあったことに気づかされます。
 更には、これを小学校単位(地域とほぼ同じ)で行うことで、途方に暮れている児童を見かけた地域の人は「家で決めた避難場所はどこ?」という短い質問1つで、アドバイスを与えることもできます。 「避難先が1か所だけなので、避難できない状況になった時はどうするか」という指摘もありますが、あえて1か所に限定することで、人間にとってコストのかかる「判断」の必要もなくなります。 こうやってみると、「学校の宿題って、深いことを考えて出されているんだな」と今更ながら思うのです。

 さて、ここ数年、パソコンからスマートフォンやタブレットへシフトが進み、IT機器の利用者が爆発的に増加とともに、利用者の年齢層も幅広くなりました。 それとともに犯罪やトラブルに巻き込まれる危険性も急増している現状は、ご存じのとおりです。 教育機関、企業、コミュニティ、そして家庭(*1)でも、安全なIT利用のための取り組みが進められているにも拘わらず、毎日のように「情報漏えい」「炎上」「フィッシング」「遠隔操作」「サイバーテロ」「ネットいじめ」「ケータイ依存」のような単語が含まれた記事が報道されるのを見ていると、減少の兆しが見えません。

 決して、これまでの取り組みが無駄だったわけではありません(*2)。
 利用者数の急激な増加によって取り組みがリーチしきれていないことや、ネットワーク犯罪や炎上の原因がユーザー数の変化以上に急増していることも、大きな原因と考えられます。 また、このような状況下では、これまでの取り組みに加えて「トラブルは避けられない」という前提の取り組みも必要となるでしょう。 トラブルが前提の取り組みでは、誰もが瞬時に思い出せて、判断できるトラブルシューティングを検討する必要があります。

 とはいえ、社会環境が細分化されている現代において、「社会全体で共有できる案」は、策定が困難です。 が、前述の「小学校の宿題」のような問いかけであれば、個人や家庭、組織が、それぞれの実情に合った「最低限の災害対策プラン」を作ることができるのではないでしょうか。

 回答を探す過程で周囲の人とのコミュニケーションを行うので、セキュリティ意識を広げる効果も期待できるかもしれません。 さらに、この問いかけを定期的に行うことで、記憶の中に、トラブルの存在を根付かせることも可能ではないかと思っています。

 質問は、「ネットでトラブルになったら、どうしますか?家庭や組織内で話し合って、1つだけ決めておきましょう。」
 「唯一無二の正解」は存在しません(*3)。あなたの回答は何ですか?だれと話し合いますか?

*1 : 家庭での取り組みの一つとして、米国の母親が作った「18のルールで構成された契約書(*1)」が数年前に話題になったことを覚えていらっしゃる方も多いと思います。契約書の原文が読めるサイトとしては ABC News " Mom Has Son Sign 18-point Agreement for iPhone"
日本語での紹介サイトとしては、Woman Excite!『 初めてiPhoneを持つ13歳の息子へ~「スマホ18の約束」が話題!』他。

*2 : 個人的には、「対策が進められているから、この程度のトラブルで済んでいる」と思っています。

*3 : 時期、年齢や環境、価値観などの要素によって変わってくるので、この問いに「唯一無二の正解」はありません。
が、「見なかったことにする」「更に燃料を投下する」などのような不正解は存在します。
 
※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。
 






 

 

 

 
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