サイバーセキュリティ月間

2017年3月13日(月)

「サイバーセキュリティはみんなで参加」とセキュリティ人材の評価と私たちの社会の在り方

 新潟大学大学院
 法学部 教授 田中 幸弘

 
セキュリティコラム5
進め!セキュリティ関連の担い手たちよ!

 
 セキュリティの担い手たちよ胸を張れ!給料も上げてもらおう!そして、みんなが誇りを持ってがんばるだおー!( `―´)ノ
 
 では当面2020年対応に向けての国内の国・自治体・各産業界・業界団体・消費者はどのようにセキュリティについての情報や枠組みを共有していけばいいのか。
 
 皆さんが日々の仕事をしておられることはその一つ一つがネットを介して、全体を構築しているとも言いうると思うのです。そして皆さんの営為が常に全体の中で機能して、それはあたかもハイパーテキストのように、アップデートを繰り返しマトリックスのように全体を構築している。それは社会のインフラストラクチャーに皆さん方が何らかの形で常につながっているということです。その意味では、皆さんのお仕事は会社を超え地域を超え役所を超え少なくとも国ベースでの垣根を一応のバッファーとして全体を構成しつつ、全世界につながっている。
 
 皆さんが作るデファクトは全体のデファクトにも、皆さんが作る枠組みは全体に何らかの影響を与える枠組みとして全体を構築し支えている。これは第一回で言及した鉄道網を支えておられる方々の営み、国民の血液を循環させているはずの金融インフラを支えている方々の営みと同じ程度で社会になくてはならないものとして機能しているのではないかと。
 
 それをセキュリティクラスタの方々は支えておられるのですよ。
 
 誇りを持っていただきたい。恥ずかしがることなく自信を持っていただきたい。皆さんが寄与してくださるからこそ回る社会になっていることに誇りと自信を持ってください。
 とはいえそのような方々がせっかくの専門性のみに注力し過ぎるのは必ずしも望ましいとは言えないでしょう。特にこのように重要なインフラに関連する世界では相互性と全体を鳥瞰した上で立ち位置を確認する視点を大事にすることも必要に思われます。
 その意味では現状で、セキュリティに関連する主体間の情報や問題意識を仲介する機能を担う形になっている各県のサイバー脅威対応関連の協議会や道後・白浜・越後湯沢でのシンポジウムやワークショップなどのセキュリティ人材と問題とテーマを共有し切磋琢磨することを機能としてきたポータルサイト的なイベントの運営主体に期待される機能と役割・使命はますます重要になることでしょう。
 
 運営主体の方々は本業の傍ら手弁当的に企画や実施・運営に参画されてきたわけです。
 しかし、昨今ではその役割のさらなる進化、高度化・機動性を持った組織づくりも必要になってきているのかもしれません。一部の実務専門家・研究者・行政の担当者からの需要に加えて、そこで共有されることになった共有知を参考にしたいと新規にそのノウハウや行政情報・改正法の法令の情報を求める参加しようとされる方々も急激に増えているようです。
 この国民的な各方面からの新規需要に、地域の協議会も道後・白浜・越後湯沢の運営主体もどう応えていくのかを中・長期的に検討してく必要があるように思います。
 NPO的な組織による特性との親和性や、新たな需要と両立させるために、新しい革袋も場合によっては検討していく必要があるのかもしれません。国民が地域社会が何を必要としているのかを検証しつつ、このベクトルの認識を検証すべき時期に来ているのかもしれません。
 
 開催地新潟の越後湯沢のWSの実行委員を今回同時に拝命していることもあり、この20年前にまかれた種から育ち続けてきた幹の太い樹をどのように時節と国民と開催地の期待に応えうるものにするのかを考えるのは私個人的には使命として自覚しなければならないのではないかとも考えています。
 その意味では2020年に向けて、三つのセキュリティ関係の祭典の開催地と各都道府県の協議会は、種がまかれた時の問題意識を振り返りつつもそれに拘泥することなく現在と将来に向けたインフラに関与する主体間の協力体制の上で、収れんするかどうかもわからない未知の脅威への対応も含めて、モニタリングしつつ生まれ変わり続ける必要があることを肝に銘じるべきでないかと個人的には思っております。
 かかる問題意識を共有していただき、国並びに行政の各地の首長の方々や国民の安全を常に守り続ける警察・防衛関係の方々の理解を踏まえて、かかる問題を遂行するために必要な理念とそれを将来的に運営し得る体制の人的基礎・財産的基礎の増強にも踏み込んだ体制作りへの配慮およびご協力を今まで以上に国と全国の自治体におかれましてはいただく必要があるように思います。
 
 「サイバーセキュリティは全員参加」・・・内閣サイバーセキュリティセンターのサイバーセキュリティ月間の今年のキャッチフレーズです。
 攻殻機動隊の公安9課のような主体がもっぱら行う領域の問題ももちろんありますが、テロの脅威が顕在化している昨今、必要なのは全員参加のサイバーセキュリティというのは正鵠を得ているように思います。とはいえ、全員参加してるからリスクがあいまいになっていいじゃん!って話ではない訳で、リスクは存在し得る・リスクは顕在化し得る・リスクは身近に存在し得るという前提で、発生しないのが当たり前のゼロリスク症候群を回避しながら、あり得るリスクをどう共有して社会を運営していくかのための周知のための情報提供機能・国民と住民のための情報ポータル機能を各協議会と三つのシンポジウム、ワークショップも含めて国及び自治体ベースでもその従来からの寄与の価値と今後の役割の在り方が再認識されていくように思われます。
 
 だからこそ、です。新参者として越後湯沢の実行委員のひとりを拝命し微力ながら末席を汚す無力を自覚する私だからこそ、お願いしたい。全員参加のセキュリティ関連の担い手の方々は大いに胸を張り誇りを持ってさらに国民と住民のためにも活動する矜持を共有していただきたい。
 社会貢献も意識しつつ社会的に評価してもらって民間の方々も公務員の方々も給料ももっと上げてもらいましょう。そして国民と自治体の住民の方々の声を背に、各主体が消費者に対しても理解しやすい情報の提供を意識した体制の整備に向け、さらにさらに一緒に頑張ってください。
 みんなでがんばるだおーっ!( `―´)ノ
 

 
 
 
 

 

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