サイバーセキュリティ月間

2017年3月13日(月)

「サイバーセキュリティはみんなで参加」とセキュリティ人材の評価と私たちの社会の在り方

 新潟大学大学院
 法学部 教授 田中 幸弘

 
セキュリティコラムその3
天の声があるほうがいいのか天の声のまえになのか

 
 友人との話でよく話題になることがあるのだが、霞が関および霞が関系の外郭団体等での人事案件の公募での報酬の水準の低さに驚くことがある。
 
 これは亜種があり、特定の省庁や特定の主体の業務を受託していると思しき特定のプロジェクトに携わることがある程度容易に予想される職務に必要とされるであろう人材の公募・派遣業者での募集にも同じことがいえる場合があるというものである。
 そもそも、労働市場での実情を無視というか視野にない公募であるのではないかと思わざるを得ない案件が散見されるという指摘を耳にすることもある。。あらかじめあてにする人材が存在する「なんちゃって公募」は現状では存在しないと思われるので、予算制約やら既存の人事関連の枠組みをベースとする場合が多いのかもしれない。しかし、それも、案件によりけりなのではなかろうか。
 霞が関の賃金ベースの枠組みではこれが妥当・・・という話だけでは、人は集まらないだろうし、非正規の報酬はこの枠組みでという前提ではますます現実とのギャップが大きくなるのではなかろうか。有期雇用だからこそ、集中的にリスク管理を行える人材を特別な報酬で労働市場の実情を踏まえて用意してこそ手を挙げてくれる有能な専門的人材もいることを忘れてはならないように思うのだが。
 
 この辺は有期雇用で特定のきわめて特殊な専門性を必要とする職務であるからこそ普通は賃金・報酬は高額に設定されることになると思わないか?と問いかけた場合に首をひねられることは昔はあったのであるが、今もこの点については必ずしも「普通」は普通とは考えられていないということを意味するのだろうか。
 とはいえ、省庁によっては特定のポストは賃金が安くても任期を務めた後、民間で厚遇されることが多いのでと当たり前のように安い水準での公募をかけることがあるのかもしれない。それで何とかなる仕事も世の中にはあるかもしれないし、確かに一部にそのような職種はあるとも思う。だが、それで組織的にホントに将来的にセキュリティの人材の流動性の高まりとそれに応じた評価基準の適正化それによる賃金水準の高度化が期待される昨今の環境の呼び水になるのだろうか。
 それが可能にならないような環境のままで、国を挙げた2020年対応がうまくまわるとどの程度考えられているのであろうか。私みたいなビビりからすると、責任問題にもなりかねない話であるように思うのであるが。2020年というお尻が決まっている案件であることを安易に考えすぎてはいないだろうかという声も聞こえてくるところがある。。
 
 その意味ではそのうちサイバーセキュリティに限らずセキュリティ全般に関連するどこぞの領域経由で、「統合作戦本部の諸兄はしっかりしたまえ(`・ω・´)ゞ」という天の声がそのうちどこぞから降りてくるのではないかと思っていたりするのであるがその時になってからではさすがに機動的な人材調達の達成は遅いのではないか?と思ったりするのだが、杞憂に終わればいいとは思っている。(つづく)
 

 
 
 
 

 

※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。






 

 

 

 
NISC SNS一覧 
セキュリティ情報
Twitter
 活動情報
Twitter
Facebook

LINE
※ SNS運用ポリシーはこちら


 
NISCサイバーセキュリティ意識啓発動画ポータルへ 
ご注意 上記リンクをクリックすると別サイトに移動します。