サイバーセキュリティ月間

2017年3月13日(月)

「サイバーセキュリティはみんなで参加」とセキュリティ人材の評価と私たちの社会の在り方

 新潟大学大学院
 法学部 教授 田中 幸弘

 
セキュリティコラムその1
サイバーセキュリティ人材の引き抜きと経営者意識の欠如?

 
 どうやら新潟県警関連でのサイバー脅威対応協議会の共通分科会の会長を拝命することになったらしい。
 あり得ねえーーーっという声も聞こえてきそうだが、事実なのだからしょうがない。地域の国立大学法人で職務を拝命している人間としては全身全霊を込めて国民・地域のために微力を尽くすのみである(`・ω・´)ゞ
 
 ところで、従来からセキュリティクラスタのお友達は多かったのであるが、そんな彼らの間で、最近はわが国における人材論としてセキュリティ担当者の育成に要請される環境は何なのかが話題になることが多いようだ。国を挙げてセキュリティ人材を何とか確保したいという動きがあるようだがその論者の一部は、安いコストで必要な人材をいかに確保できるかという点にポイントを置きすぎている場合もあるらしい。
 専門職的人材の育成が専門性に対する然るべき対価を伴わずに簡単になし得るのかと思うと共に、既存の企業組織の中でも必要な人材は実は十分存在しているはずだというスタンスを必ずしも感じられないのはなぜなのだろうか。 
 
 そもそもセキュリティに関与する人材の能力評価及び人事システムにおける位置付けが曖昧なのではないかと感じるとともに、日本を代表してきた産業界の錚々たる企業からセキュリティ人材がいとも簡単に?特定のセキュリティ関係の企業に(おそらくは高額で且つ好環境で)引き抜かれている現状との平仄がとれた経営者的発想の欠如を感じざるを得ないところもある。
 
 この問題を目にすると、私は鉄道運行システムのことを想起するのである。
 JR東日本をはじめ私鉄各社においても社会的インフラとしての鉄道システムの運行についてはコンピューターシステム統合で制御される部分はもちろんあるが実際に電車を走らせるということについて線路の管理いわゆる保線を担う人材が不可欠である点については論を待たないであろう。
 例えば、実際に大雪の際の運行について、具体的に線路での災害等の発生状況はセンシングできても、それを如何に解決するのかを常に現場でモニタリングしながら実行する担い手が必要不可欠である。実際の風雪・嵐の中で路線で足を踏ん張り枕木と線路を取り扱う人間がいてこそ安全は確保されることを忘れてはならない。 
 
 国家の威信をかけた事業運営の一環としてのオリンピックにおけるセキュリティ体制の構築と運営におけるセキュリティ関係の人材のあり方・調達・管理環境についても同様の視点が必要なのではないかと思うのであるがいかがであろうか。(つづく)
 

 
 
 
 

 

※記載内容は執筆者の知見を披露されているものであり、著作権は本人に帰属します。






 

 

 

 
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