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お金を狙うサイバー犯罪の最新動向はコレ!

公開日:2022/05/17 想定読者層:消費者 テーマ:フィッシング詐欺

スマホを狙うサイバー犯罪の注意点についての記事が公開されています。

https://ascii.jp/elem/000/004/088/4088981/

最近の不安定な国際情勢やインフレや円安など世の中の動きを報じるニュースを見て、今後の自分の財布の中身ついても不安を感じてしまいます。こんなときに金銭を狙うサイバー犯罪には絶対に遭いたくありませんよね。まず我々が気を付けるべきは、ここ数年で被害が拡大しているフィッシング詐欺です。

フィッシングの詐欺は、実在のサービスを名乗り「問題が起きた」や「当選した」などの偽のメールやSMSを使って偽のログイン画面に誘導してログインに必要なIDやパスワードなどを入力させて、その認証情報を使って金銭的な詐欺を行います。我々にとって便利なIT技術は詐欺師にとっても便利であることを忘れてはいけません。この記事に出てくる用語「スミッシング」とは、携帯電話やスマートフォンに届くショートメールの「SMS」と「フィッシング」を掛け合わせた造語で、SMSを使ったスマホを狙うフィッシング詐欺です。パソコンユーザーだけでなくスマホユーザーもターゲットになっています。

この記事でも取り上げている警察庁が発表した「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」には、お金を狙うサイバー犯罪の最新動向が書かれています。この発表からフィッシングの動向を見てみましょう。

警察庁の発表によると、フィッシング報告件数は前年比2倍以上の52万6,504件に急増しており、クレジットカードの不正利用被害額は2021年の9か月間で、2020年の12か月間の被害額223億円を超えました。警察庁が別で発表した2021年のオレオレ型特殊詐欺の認知件数が8,091件、被害額が156億円でしたので、フィッシング詐欺の被害規模はオレオレ詐欺を超えて拡大していることが分かります。オレオレ詐欺は日本語で電話し言葉巧みに金銭を窃取しますが、フィッシング詐欺は日本語の文案を準備すれば良いので日本語が流暢に話せる必要はありません。オレオレ詐欺よりも多様な人間がフィッシング詐欺に参入できると想像ができます。

インターネット通信販売サイト、携帯電話やスマホなどの通信事業者、クレジットカード事業者を偽る事例が多くを占めています。フィッシング被害に遭わないためには、サービス事業者から届くメッセージが常に詐欺ではないかを疑い、届いたメッセージ内のURLからではなく、ネット検索やブックマークからサービスに入って用心深くメッセージの真贋性を確認することが必要です。また、フィッシングの注意喚起を行っているフィッシング対策協議会のサイトに掲載されている事例を読んで、事前に手口を知っておくこともオススメします。

この警察庁の発表に記載のアンケート結果では、サイバー犯罪の被害に遭う危険性について「不安を感じる」または「ある程度不安を感じる」との回答がおよそ8割を占めていました。サイバー犯罪に不安を感じているのはみんな同じです。ニュースや記事などから動向や事例を知り正しく対処する習慣をみんなで身につけていきましょう! 詳しくは上記の記事や以下をご確認ください。

参考:

警察庁「令和3年におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢等について」(PDF)
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/cybersecurity/data/R03_cyber_jousei.pdf

フィッシング対策協議会
https://www.antiphishing.jp/

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